株式会社MAT MAT音楽教室
(2025年3月取材)
音楽を楽しむ中でクラシック音楽の「本質」を伝えていきたい。


株式会社MAT
MAT音楽教室
代表取締役 田中 良茂さん
ドイツ・ケルン音楽大学卒業。
ベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲演奏や世界初といわれる室内楽版によるピアノ協奏曲全曲演奏を行う。
日本フィルハーモニー交響楽団の公演には約200回出演。
代表が経営するMAT音楽教室では、ピアノをはじめ、ヴァイオリンやギター、フルート、クラリネット、サックス、ヴォーカル等のレッスンが受講可能。
小さなお子様からご年配の方まで、多くの生徒さんが通うMAT音楽教室。レベルの高い演奏技術を持つ講師陣が、ひとりひとりに寄り添い、わかりやすく楽しい授業を行ってくれると評判です。
今回はMAT音楽教室の代表、ピアニストとしてもご活躍されてきた田中さんに、音楽に対する思いをお伺いしました。
自分とは切り離せないほど一体となっているピアノの存在。

素晴らしい経歴をお持ちですが、ピアノは何歳ぐらいから始められたのですか?
小学校に入る前ぐらいですね。
MAT音楽教室の前身は、叔父が戦後すぐに曳舟に作ったバラード音楽院。 私が「MAT」と名前を変え60年近く続いている教室ですが、 両親もそこでピアノや声楽の講師をしていました。 そんな環境でしたのでピアノは強制的にやらされていましたね(笑)。
ピアノは、小さい頃から毎日毎日、何時間も触れて練習してきたので、もう自分の体の一部になっていて、「切り離せないもの」という感じです。
小さい頃からクラッシック一色という環境だったのでしょうか?
いえ、普通にJーPOPも好きでしたね。
アイドルの方の曲もいいものが沢山ありましたので、カラオケに行って歌ったり、コピーして弾いてみたりしていましたよ。
世代的にビリー・ジョエルも好きですね。 特にボビー・コールドウェルという人が好きで今でも聴いてます。
尊敬するピアニストの影響で、私の音楽の方向性が決まった。

小さい頃からピアニストになるのが夢だったのですか?
いえ、他にやりたいこともあったので普通の大学に行くことも考えていました。 ですが両親に無理やり音楽中学校を受験させられ、音楽をすることになりました。 当時は本当にそれが嫌でしょうがなかったんです。
そんな時にたまたまテレビで世界的に有名なピアニストのマウリツィオ・ポリーニ氏の演奏を聴いたのですが、それが私の心にずばり刺さり、「この人みたいになりたい!」と強く思い、そこからピアノへの取り組み方が変わりましたね。
私の演奏曲や演奏の仕方などは彼の影響をとても受けていますし、ポリーニ氏のおかげで私の音楽的な方向性が決まりました。
ポリーニ氏の演奏のどんなところが心に刺さったのですか?
ポリーニ氏は「鋼鉄のようなテクニック」で有名だった人で、そういったテクニック的なところもすごく素晴らしいのですが、私の心に響いたのは、音楽に対峙する姿勢ですね。
作品にぶつかっていくファイターのような、そんな姿勢で曲に取り組まれるのです。「魂」と「魂」がぶつかり合う、そんな演奏スタイル。 それが私の音楽への想いと通ずるように感じ、「彼の演奏を完全コピーしたい!」と思うぐらい共感しました。 才能が桁違いの方なので、真似るのはとても大変でしたし、私自身、年齢とともに自我も芽生えてきましたが…。
いつか彼に習いたいと思っていましたら、幸運にも後年、彼に習う機会を得ることができ、本当に嬉しかったですね。
ポリーニ氏の音楽に出会ってからは、音楽が「楽しい!」と感じられるようになったのですか?
演奏者はどうしても人前で演奏しなくてはいけません。コンクールで緊張し、思うような成績が取れなかった時もあり、何度も落ち込みましたし、何度も辞めたいと思っていました。ですので「楽しい」という感覚とは少し違うように思います。 ポリーニ氏への憧れは、ピアニストとして、さらに成長するための大きな希望という意味合いが大きかったように思います。
MAT音楽教室では発表会で人前で演奏する機会を設けています。 お子さんたち、とても緊張されるんですよ。 出る前は緊張して嫌がる子もいます。 私も経験してきたのでよくわかるのですが…。
でも、それを乗り越えるとどんどん成長されていくんです。緊張を乗り越え、人前で演奏することで、知らず知らずのうちに自信が付き、日常でも振る舞いが変わってくる。 「楽しい」だけでは得られない成長かもしれません。 そういうところをとても喜んでくださるご両親もいらっしゃいます。

音楽を始めるのに年齢は関係ない。

生徒の方は、お子さんが多いですか?
60%ぐらいはお子さんですが、他は大人の生徒さんですね。
「音楽やってみたいと思っていたけど機会がなかった」、「昔やっていたけど仕事で続けられなくて…、本当は続けたかった」という方。 「習っていた時は嫌だと思ってたけど、結構好きだったんだなと気がついた」という方。 定年退職迎え、新しい趣味を始めたいという方。 本当に色々な方がいらっしゃっています。
今は楽器もわりと安価で良いものもありますし、昔に比べて気軽に始められるようになってきているので、大人になってから「やってみよう」と思われる方が増えていますね。
音楽は体や脳、心に良い影響を沢山もたらします。
心を落ち着けてくれたり、ストレス発散の効果があったり、脳の活性化にも役立ちます。 練習を通じて忍耐力や達成感が得られたり、他者との協調性が育まれたり、多様な文化や歴史に触れる機会も増えるなど、数え上げればキリがありません。
音楽は触れているだけで、人をどんどん豊かにしてくれます。
音楽を通し、先生と触れ合って、みなさん笑顔になって帰っていかれる。それを見ると音楽教室をやっていて本当に良かったなと思います。
クラシック音楽の持つ「本質」を伝えたい。

MAT音楽教室で伝えていきたいことは何でしょう?
クラッシックの名曲には、心に訴えかけてくる「本質」みたいなものがあり、300年の時を超え、それは今も生きています。
私は、その「本質」とは、人が持つ「生まれて死ぬ」という避けられないテーマを、それぞれの作曲家が答えを探し、音楽にして伝えてくれているように感じています。そこには言葉では上手く表現できない、音楽だからこそ伝えられる愛や喜び、悲しみなどが表現されています。
そんな壮大なテーマを真正面から見つめてきたのがクラシックです。 そんな本質を30分のレッスンの中で5秒でよいので、伝えていける教室にしていきたいです。
有名な実業家の方が「寿司職人になるのに10年の修業は不要だ」と語っていました。私はその実業家を尊敬していますし、意味もよくわかります。しかし長く音楽をやってきた私には、同時に違和感を覚える言葉でもありました。
どの世界にも、長く、深くやったからこそ見えてくるものがあり、クラシックはその最たるものかもしれません。
音楽の「本質」を見つけだし、磨き、体得し、人間の幅を広げていくのが私の人生の目標です。
ただ、そればかりだと楽しくありません。
MATの生徒の方には、まずは音楽を楽しんでもらいたいと思っています。 楽しみながら音楽の「本質」も掴んでもらい、それぞれの人生を広げていただく一助になれば良いなと思っています。
楽器を始めるのに年齢は関係ありません。
お子さんもシルバー世代の方々も、 ぜひ気軽にMAT音楽教室の無料体験レッスンを受講してみてください!
株式会社MAT
MAT音楽教室


東京都墨田区東向島2-13-7YMK曳舟2階
TEL(代表):03-6657-5151
https://www.mat-music.jp/
