ブーランジェリー オットポン
(2023年9月取材)
古くからの下町っ子にも新住民にも支持される曳舟の名物パン屋


ブーランジェリー オットポン
社長
高橋 聖一さん
木村屋総本店など10社程度のパン屋で修行を積み、2012年ブーランジェリー オットポンを開業。カレーパングランプリ2023 東日本焼きカレーパン部門で同店の窯出しビーフカレーパンが金賞受賞。
京成曳舟駅前に独特の存在感でたたずむパン屋「ブーランジェリー オットポン」。今回は店主の高橋聖一さんにお店の歩みやこだわり、地元曳舟への想いについて語っていただきました。
地元でパン屋を開業して11年。

まずお店の紹介をお願いします。
2012年からこの場所で「オットポン」というパン屋を開業。店名の由来は私が高橋というので、フランス語で「高い」を意味するオット、「橋」を意味するポンを組み合わせたというわけです。ちなみにフランス語の文法的には成立していないそうですが、まあ良いかと(笑)。
オットポンという響きが可愛いですよね。
お店を始めるきっかけを教えてください。
元々このお店があるところに実家があったんです。京成曳舟駅前の区画整理が始まり、このビルができた際にお店をやれるならここでパン屋を開きたいと思ったのがきっかけです。
自分の店を持ちたいというのはずっと夢だったので、あまり計画も厳密に立ててはいなかったのですが開店しました。

豊富な種類のパンが所狭しと並んでいます。
開店から11年になりますが、駅前という良い立地ですからお客さんも安定して
来てくださるのでは?
いやあ、最初は大変でしたよ。オープン当初は駅前再開発の本当に最初の時期で、文字通り何もない場所だったのでお客さんは全然来ませんでした。
2012年の12月に開店したのですが、翌春の4月にひきふね図書館が開館するまでは閑古鳥でした。11年間で一番大変だったのが開店当初なのは間違いありません。私の感覚では最近ようやくお店の売上が安定してきたなと感じています。
誰からも支持される守備範囲の広い店を目指しています。

現在の人気メニューの紹介をお願いします。
一番の売れ筋は食パンですね。乳製品と卵を一切使っていないので、アレルギーがあるお子様でも安心して食べられて、ファミリーに人気の商品です。また、焼きカレーパンは最近カレーパングランプリで金賞を受賞しました。「揚げ」だと脂っこくて重いという声があったので、じゃあ焼いてみるかということで試したところ大好評です。他にも塩バターロールやベーグルも人気があります。

金賞受賞のカレーパン。焼いてあるので何個でもペロリといけます。

何かメニューやお店のこだわりはありますか?
品揃えに関してはなるべく幅広く揃えるということですね。この辺りは昔から住んでいる方もいれば、最近ファミリーで越してこられた方もいて、それぞれ購入されるパンの種類が全然違うんです。昔ながらのあんドーナツを買いたい下町っ子もいれば、都心のパン屋で売っているようなちょっと凝ったパンを買いたい新住民の方もいる。だからいろんな方のご要望に応えられるよう幅広くいろんなパンを用意しています。そして、思いついたメニューは一度作ってみるということを心がけていますね。
あとは「誰でも気軽に入れるお店」を目指しています。段差がないバリアフリーというのももちろん、内装は可愛すぎないようにし、性別年齢関係なく気軽に入れる雰囲気を作る様にしています。おかげでファミリーはもちろん、中高年の男性もお一人でふらっとご来店してくださいます。
開店当初は内装のコンセプトが決まっていなかったので、外から見たら全く何のお店かわからなくて(笑)。ちゃんと方向性を決めてからお店を始めたら、もう少しスムーズにいろいろ進んだんじゃないかと思っています。だからこれから何かのお店をやろうとしている人には「コンセプトを決めてから開店しよう」と伝えたいですね。
オットポンが曳舟の魅力の一つでありたい。

高橋さんの子供時代について教えてください。
完全にインドア派。
テレビっ子で食べるのが大好きな子供でしたね。おばあちゃんが外食をしない人だったので揚げ物から刺身まで何でも家で作ってくれて、それが料理に目覚めるきっかけになったかもしれません。小さい頃から洗い物とか水場の手伝いはよくしていました。調理科がある高校に行って、そこでパンが面白いなと思ったのでパン職人の専門学校へ。
卒業後はパンの会社を10社くらい経験して独立したという流れです。
地元でお店をやっている立場から、
何かこのエリアへの想いがあればお願いします。
お店に来ていただけるのは大体半径500m圏内にお住まいの方なので、やっぱり地元と密な関係を築いて「パンを買うならまずオットポン」と選んでいただけることがお店にとって大切なことだと思っています。当店のパンが好きという声をいただくと本当に嬉しいですね。
曳舟はすごく住みやすく生活に困ることもないですが、外からわざわざ遊びに来る場所では現状ありません。だから、本当に地元に住む人を大切にしてやっていかないと商売が成り立たない。今後は外から曳舟に来たくなるような魅力的な何かが生まれて欲しいですね。その魅力の一つに「ブーランジェリー オットポン」があれば良いなと思っています。
ブーランジェリーオットポン

営業時間:平日 8:00〜19:00
(日・祝 8:00〜18:00)
定休日:月曜日、木曜日
墨田区京島1-36-1 マークフロントタワー曳舟1F
TEL 03-3617-8804
https://www.haut-pont.net/
