フラワーショップみずほ

（2019年7月取材）

「フラワーショップみずほ」の成長を見守り、育ててくれた墨田の人々には、感謝しかありません。

フラワーショップみずほ
代表取締役社長
米澤正之さん

人と人の想いを結びつけてくれる「花」と共に。

　なんでこんな私が花に携わっているんでしょうか？（何で花屋なんだろう？）
　遠くに目をやり想い起こしてみたら、それは32年前までさかのぼってしまいます。
　務める企業を２０歳そこそこで退職する際に、同期の仲間達に貰った赤いバラとかすみ草の花束がそのキッカケになるかもしれません。
　素直に嬉しかったですね。
　なんか花っていいなぁ。決して物を言う事のない色とりどりの花達が、人と人の想いを結びつけてくれる大切なアイテムになる事も、その花束を貰った事で初めて知ったように思います。
　出来ればこんな夢のある花を扱う仕事に携わっていきたいなと考えながらも、実際は正反対の業種に従事した理由は、山形からの上京者には衣食住に随分なお金がかかり、必然的に稼げる業種選択しかありませんでした。ただ、仕事の掛け持ちとして、退社後の夜の時間帯を利用して、大田区蒲田の花屋や園芸専門店で配達専門部員として長年働いてました。

自分や店舗を成長させてくれた、墨田の人々の暖かさ。

　29歳の頃、何の気なしにこの墨田に降り立ち店舗探しを開始。無事に私は京島の地に開業することになりました。
　墨田の人たちが、私を暖かく迎え入れてくれたおかげで、お店も次第に忙しくなり、売り上げも順調に増して行きました。
　本当に忙しくなり、人手が足りずに困り果てた末、当時付き合っていた彼女を借り出して、その場を凌ぐ事も（笑）。
　お陰様で、その彼女と結婚し、３人の子供にも恵まれ、現在に至っております。
　開業後数年経った頃、沢山の従業員達のお陰もあり多店舗化に舵を取り始めました。
　25歳前後の従業員の若い仲間達はとてもエネルギッシュ。業界の常識をも覆す新しい発想を次々と投げかけてきます。「もう一度奮起し自身の若さを取り戻さなきゃ、とってもだけど着いて行けない」、と感じる日々が続くほどでしたが、そのおかげで、一時は京島を中心に８店舗の運営をするに至り、現在では、その地域に合った、お客様のニーズにお応えできるような品揃えと、各店独自のオリジナリティーを生かした店舗運営をさせて頂いております。

最愛の奥様と。

ずっと支えてくれていた妻の存在。

　妻には感謝してます。
　商品の仕入れや配達などで店を留守にする事が多い私。地元との直接的な接点は、やはり妻が多くなります。
　京島出店当時の繁忙応援で借り出された妻の前職は洋裁でした。接客業などした事もありません。更に付け足せば、生花の事など素人以下の知識で、花束やアレンジメント製作をしていたのですから、振り返ってみれば怖いもの知らずの若夫婦とお客様には評価されていたのかもしれません。ちなみに店の屋号「みずほ」は、妻の名前からとりました。

長年お店を見守り、支えて来られた奥様。

お客様に見守られ、育った子供達。

　現在、子供達３人は繁忙期になるとスケジュールが合えば、店の手伝いに来てもらってるのですが、古くからのお客様に「あの時のお子さん？」と、泣きじゃくる赤ちゃんをおんぶしながら花束を作る姿を、目を細めて思い出してくれるお客様は今でも沢山いらっしゃいます。
　花束製作の作業台上で、持ち運びが出来る簡易ベッドの中を所狭しと寝返りを打つ赤ちゃんは、目を離した隙に何度も床に落ちる始末。見かねたお客様の中には抱っこしてあやし続けてくれるお客様や、近所の散歩をして頂く方までいらっしゃいました。
　赤ちゃんが泣きじゃくる騒々しい店内を、唯一無二の花屋とごひいき頂いたお客様には感謝しかありません。また昨今、働き方改革が叫ばれているようですが、そんな過酷な日常をこなしてくれた妻にも感謝感謝です。

向島法人会への参加で、感謝と奉仕の心を学んだ。

　様々な業種の方々と知り合えるキッカケとなった向島法人会の活動への参加で、感謝する事と奉仕する理念を学んだように思います。
　そのお陰で今日のフラワーショップみずほがあります。
　将来への大きな発展や今後の展望などは考えておりませんが、体が動く限り細々でも店を営み続ける事がお世話になった方々への恩返しと思っております。