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株式会社山平屋・和牛処やまだいら、すきやきひぐち

(2022年7月取材)

牛肉の美味しさを広め続けて75年

株式会社山平屋  代表取締役 樋口 敏郎さん(写真左)     和牛処やまだいら、すきやきひぐち  取締役 樋口 秀子さん(写真右)

株式会社山平屋
代表取締役 樋口 敏郎さん(写真左)
 
和牛処やまだいら、すきやきひぐち
取締役 樋口 秀子さん(写真右)

近江牛を扱う精肉店山平屋とレストランやまだいら。 美味しく品質が安定している近江牛を扱うようになったストーリーやこだわりについて、お二人にお話を伺いました。
樋口敏郎(以下樋口敏):株式会社山平屋代表取締役。墨田区議会議員。
樋口秀子(以下樋口秀):和牛処やまだいら、すきやきひぐち取締役。

牛肉不毛の地だった墨田区で近江牛で勝負

これまでの歩みをご紹介お願いします
 
樋口敏:肉屋の山平屋は今年で創業年になります。 田舎から出てきた父がこの辺りの原皮会社に勤めた繋がりで、屠畜場から内臓を仕入れて売るようになったのが始まりです。 戦後の貧しい時代だったので、肉ならなんでもよかった時代でした。
私が二代目になってから近江牛を中心に扱うようになり、今は息子が新商品開発や通販などにも挑戦しています。
山平屋の隣で営業するレストランのやまだいらは今年で開店9年目です。

高級な肉質と味わいが楽しめる近江牛レトルトカレー。肉屋の山平屋が開発した

なぜ近江牛を扱うようになったのでしょう
 
樋口敏:戦後復興が進んで消費者が肉を選んで買うようになった頃、私は山平屋で働くようになったのですが、 神戸牛の大井肉店での修行の経験から「これからは品質や味にこだわらないとやっていけないのでは」と思ったのが、ブランド牛を取り扱うようになった一つのきっかけです。
 
ブランドとして近江牛を選んだ理由としては、個体による味の差が少ないこと。 例えばもっと高級なブランドで言うと松坂牛がありますが、当時は結構味のばらつきがありました。 その点、近江牛は昨日購入した牛肉と今日購入した牛肉での味の違いは非常に微々たるもので、そこまで気になりません。
 
やはりブランド牛は普通の牛肉に比べて値が張るので、味や品質が安定していないとなかなか納得して購入してもらいにくいのではないかと。 ましてや墨田区のこの辺りでは牛肉はその時代ほとんど食べられていませんでした。 関東は豚肉文化圏なので、売っている店も少なかった。
 
そんな中、牛肉を美味しいと知ってもらい選択肢の一つに加えてもらうのには近江牛が一番いいと思ったんです。 うちで近江牛を扱うようになってからは近所だけでなく遠くから買いに来てくれる人も増えました。 当店の近江牛を食べてから牛肉が苦手ではなくなったという方もいます。

近江牛を選んでよかった

品質にはかなりこだわりがあるのですね
 
樋口敏:近江牛のハンコが押してある牛肉以外は絶対に仕入れないと決めています。一時期産地偽装が話題になりましたが、当社は近江牛を扱い始めた当初から仕入れ元は徹底していますし、信頼できる生産者さんと直で取引するルートもあります。
近江牛の魅力は品質が非常に安定していることです。 エピソードとして狂牛病が流行った時期にある近所の方が「山平屋は近江牛だから大丈夫だ」とずっと買いに来てくれたことがあって。 あの時は近江牛を選んでよかったなと思いました。

近江牛の品質の高さを市場で表彰された際のトロフィー

近江牛カレーをきっかけにお客様が増えた

レストランのやまだいらはなぜ開店したのでしょう
 
樋口秀:肉屋の山平屋の2階が宴会場(すきやきひぐち)になっているんですが、せっかくだから個人客や家族連れのような少人数のお客さんも来てほしいと思ったのがきっかけです。 それでちょうど夫(敏郎さん)の新潟の実家が老朽化して取り壊しになるところを、せっかくの古民家がもったいないということでリノベーションして山平屋の隣に移築しました。 天井が9メートルあるのでコロナ禍でも換気が良いですし、夏はすごく涼しい。 逆に冬は寒いので床暖房を入れています。

やまだいら店舗内の梁や店頭の看板は江戸後期ごろに建てられた古民家の木材を活用

レストランではどんなメニューを提供していますか
 
樋口秀:近江牛を使ったすき焼きやカレー、牛丼、ステーキや宴会メニューを提供しています。肉以外に100%新潟県産のコシヒカリや野菜も、私が目利きをして品質にこだわって仕入れています。
 
開店当初苦労したのが、すき焼きやしゃぶしゃぶ、ステーキなどは高くてなかなかお客さんが来てくれなかったこと。 そこで、気軽にお店に来てもらうきっかけになればということで2週間限定で「500円の近江牛カレー」を出したんです。 するとそれが大反響で、600円に値上げした今でもやまだいらの看板メニューの一つです。お子様が誕生日の外食に当店のカレーを希望して家族で来てくれたり、ステーキを食べた後の締めで頼んでくれるお客様もいらっしゃいます。 最近だと近江牛丼も人気で、しらたきを入れてすき焼き風にしているのがポイントです。

お弁当やペット入店可に挑戦

コロナ禍が少しずつ終わる兆しが見えてきました
 
樋口秀:そうですね。 宴会の予約も復活してきて、先日は久々に店内を駆け回ったので足が攣りそうになりました(笑)。
ここ2年は本当に大変でしたが、お弁当を始めたりと新しいことにも挑戦しました。 お弁当だと店内よりも手軽な面があるので、是非たまには当店の高級な価格帯のお弁当も食べてほしいなと思います。
最近お店をペット入店可にしたんです。 私たち夫婦もワンちゃんを飼っているんですが、この辺りはワンちゃんを連れて入れるお店がないのが悩みで。 飼い主さんワンちゃんが一緒に食事をできるお店にしようということで、ワンちゃん用のメニューも用意しました。 お母さんはすき焼き、ワンちゃんはサーロイン肉を食べて帰られる方もいます。

常連さんのワンちゃんとパチリ

子供だからこそ美味しい肉を食べてほしい

今後の目標はありますか
 
樋口敏:肉嫌いな人を減らしていきたいなと常々思っています。 小さい時に美味しくない牛肉を食べると、牛肉を食べる習慣自体がなくなってしまうんです。 だから子供であっても、美味しいものをまず最初に食べてもらうような文化は広めていきたいなと。 その最初として山平屋ややまだいらを選んでいただければ嬉しいですね。

 店舗情報

和牛処やまだいら

和牛処やまだいら
131-0041東京都墨田区八広3-7-1
03-5631-2539
http://yamahiraya.com/

アクセス

〒 131-0032 東京都墨田区東向島2-8-5
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FAX : 03-3616 - 3536