日日石材株式会社
(2020年6月取材)
のちの時代にも素晴らしい匠の技を残すために。
日日(ひび)石材 株式会社
代表取締役
渡辺 昌照さん
石材工事事業の道へ。
大学時代、私は柔道部に所属しており、そこの先輩に誘われたことがきっかけで、石材工事業に従事することになりました。
社員時代はバブルも経験しましたし、皆様誰しもご存知であろう大工事も、いくつも施工させていただき、モーレツ社員としてバリバリ働いておりました。
仕事はやりがいもあり、楽しくもあり、生涯を託せる素晴らしい職業にめぐりあえたと喜びを感じ、働いてまいりました。
60才を境に独立する事を考え、妻の実家の義兄の助言もあって、墨田区に日日(ひび)石材株式会社設立し18年になります。
最高の匠の技術で、歴史文化を支える。
主に一次下請とし、ゼネコン、設計事務所、役所などから仕事の注文をいただいております。
私たち日日(ひび)石材の技術的特徴といたしましては、国内・外の石を使用し、特殊な石材加工、及び、施工、文化財を含む石材の設計・施工を主にしております。
特に石垣工事を得意としており、皆様もよくご存知の皇居石垣、小田原城、駿府城、唐津城など手掛けてきました。
また、墨田区では曳舟駅前再開発造園工事、旧安田邸庭園、スカイツリー北十間川両岸のよう壁と歩道の敷石も手掛けております。
こちらには、「歴史を未来に受け継ぐ」というコンセプトをもとに、東武鉄道船渠(ドック)跡より出土した石を、ソラマチ広場に埋め込みました。近くに立ち寄られる方は、注意して探してみてはいかがでしょうか。
皇居石垣では「ものづくり日本大賞 伝統工芸技術応用部門 内閣総理大臣賞」を、墨田区では「すみだが元気になるものづくり企画大賞」という名誉な賞をいただき、社員・職人一同大変励みになっております。
曳舟駅前地区外構
北十間川 護岸整備(スカイツリー前)
自然の恵、「石」の魅力を活かす。
石は天然資源で、限りあるものです。
この貴重な地球の資源のおかげで、私達は素晴らしい仕事をさせていただいております。
日々、石が訴えかけてくれる声を聞き、一つひとつの石を一番良い状態で、べっぴんさんに見えるようにするために、どう活かし、どう施工してあげることがベストかを考える。これが、我々の技の巧さを支える根本的な考えだと思っています。
伊勢神宮 外宮 せんぐう館 新築工事
皇居中之門 石垣修復
のちの時代にも素晴らしい匠の技を残すために。
働き方改革、コロナウィルスなど…。
ここ最近は、従来とは異なった働き方が要求され、現場での職人さん達の働き方を考えねばならない課題を突きつけられています。
匠の技術継承は、親方について長年経験を積み重ねなければ習得できません。時代の流れとはいえ、働き方を変えることで、技術継承を怠ることはできません。柔軟に頭を切り替え、今後に備えていきたいと思っております。
私達のさせていただいている仕事は、これから何十年、何百年と残る、日本の遺産になりうる「作品群」です。その重大な施工に関わる弊社といたしましては、次世代にも胸を張って「これが日日(ひび)石材の仕事だ」と誇れるよう、日々切磋琢磨して参りたいと思っております。